学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

読書

『博士の愛した数式』

小川洋子の『博士の愛した数式』を読んでいる。 この本は是非中高生に読んで欲しい本だ(吉野源三郎『君たちはどう生きるか』とともに)。 家政婦の「私」は、「28」という数字の約数を足すと28となることを発見する。「28」は完全数と呼ばれる数字で、完全数…

『アクティブ・ラーニング時代の教室ルール作り入門』西川 純 明治図書 2016年2月初版第1刷

本書では「ルールとは何か?」「ルールを守らせるためにはどうしたらいいか?」「学級崩壊はどのようにして起こるか?」「体罰はなぜいけないか?」等「ルール」に関することが書いてある。また、ルールを決める際に大切な「民主主義」についても触れている…

運命

『独学大全 絶対に「学ぶこと」を諦めたくない人のための55の技法』(読書猿 ダイヤモンド社)のP.680~681より引用。 「お前さあ、日本語なんて毎日喋っているんだから何もしなくても勘で解けるとか不埒なこと思ってね?間違いにさ、方向性がねえの。サイコ…

学びの動機付けマップ

『独学大全』という本を買った。待ちに待った読書猿さんの新刊。 今日は、第1部第1章の「学びの動機付けマップ」をやってみた。これは「〈学びの始まり〉に立ち戻り、そこから現在につながる影響を繰り返し語り直すことで、学びの意欲と意志を育てメンテナ…

為政第二 一五

僕の好きな言葉に、『論語』の次の一節がある。 【白文】 子曰、學而不思則罔、思而不學則殆。 【書き下し文】 子曰(いわ)く、学んで思わざれば則ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し。 【現代語訳】 先生が言われた、「学んでも※考えなけ…

『気になる子の指導に悩むあなたへ 学び合う特別支援教育』西川純 東洋館出版社 2008年4月25日初版第1刷

本書は特別支援教育と『学び合い』について書かれた本である。 特別支援教育のキーワードに「6.3%」という数字がある。これは文部科学省が行った「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査(2003年)」によるもので…

なぜ学ぶのか

「教師と子どもの違いは、それを学ぶことが意味あることだと確信している人と、まだの人だと思う。それゆえ、『それを学ぶことが意味あることである』という確信を伝えることが教育であると、筆者は信じている。」 東洋館出版社『「勉強しなさい!」を言わな…

とりあえず

とりあえず、『学び合い』の理論書と呼ばれるものを5冊読んだ。まだノートにまとめていないから定着はあまりしていないと思う。 当たり前だが、理論書を読むことでその考え方やノウハウの背景を知ることができる。僕は頭がかたいので、理論を知らないと心の…

『学び合う国語』西川 純・片桐 史裕 東洋館出版社 2007年9月28日初版第1刷

「あることを学ぶ意味を陶冶価値という。」(p.5) 改めて、国語の陶冶価値とはなんだろうか。著者でもある片桐先生は本書で「国語は言葉を学ぶ教科だ」「『言葉』そのものを扱っているのは国語だけだ。『言葉(=日本語、以下同義)の機能』『言葉の役割』…

『子どもが夢中になる 課題づくり入門』西川 純 明治図書 2015年初版第1刷

『学び合い』を学び始めて最初にぶち当たる壁が「課題づくり」だと思う。僕自身この壁にぶち当たっている。本当の意味で壁を乗り越えることは永遠にないのかも知れない。本書では、この「課題づくり」をどのように考えればいいかが具体的に書かれている。再…

『サバイバル アクティブ・ラーニング入門』西川 純 明治図書 2016年2月初版第1刷

なぜ、アクティブ・ラーニングをしなければならないのか。この疑問に明確に答え、危機感を持たせてくれるのが本書である。読みながら、生徒の顔が浮かんだ。あいつは生き残れるだろうか。僕には何ができるだろうか。 以下自分の読書メモ ジェイムズ・アベグ…

『実証的教育研究の技法』西川 純 大学教育出版 1999年初版第1刷

背伸びをして読んでみた。研究とはどのような営みなのか、教育を研究するとはどういうことなのか、具体的に書いてあって大変勉強になった。 本書では、実証的研究の方法として量的研究のことが中心に書かれている。統計分析、尺度、危険率・有意水準など、高…

『段落論』石黒 圭 光文社新書 2020年2月29日初版第1刷

国語の説明的文章の授業でポピュラーな段落分け。誰もがやったことがあり、しかし誰もがよく分からないままになんとなくやっていたもの。僕自身、段落分けは苦手だった。 本書では、日本語の文章における段落分けの難しさの理由に、次のことが挙げられている…