学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

『アクティブ・ラーニング時代の教室ルール作り入門』西川 純 明治図書 2016年2月初版第1刷

 本書では「ルールとは何か?」「ルールを守らせるためにはどうしたらいいか?」「学級崩壊はどのようにして起こるか?」「体罰はなぜいけないか?」等「ルール」に関することが書いてある。また、ルールを決める際に大切な「民主主義」についても触れている。日本は民主主義国家だ。「民主主義」とは「何かを決めるときは、全員で決めて合意すること(本書P.36)」だ。では、学校の教室は民主的だろうか?どうやったら民主的な教室を作れるだろうか?

 僕が最近疑問に思ったことは「なぜスカートの丈を短くしてはいけないのか?」「なぜ髪を染めてはいけないのか?(これは「高校生らしさとは何か?」に通ずる)」だ。本書で言っていることで、僕が大切だと思ったことの一つに「そのルールを守るべき意味をちゃんと語ること」がある。現在の校則はそれを守るべき意味がちゃんと語られているだろうか?

 「体罰はなぜいけないか?」という疑問に対する応えも面白かった。「愛の鞭」で体罰は必要だという人はいる。しかし、教員からの体罰が「愛の鞭」なのか「ただの暴力」なのかは教員ではなく生徒が決める。そして、場合によっては身体的苦痛を伴うものではなくとも(例えば言葉)体罰になりうる。であるならば、「体罰」は百害あって一理無しだ。そして、「良い子の反乱」においては「体罰」は全く無力である。

 本書の内容は学校だけでなく、さまざまな組織にも有益だと思う。ぜひ読むことをお勧めする。

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