学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

『博士の愛した数式』

小川洋子の『博士の愛した数式』を読んでいる。

この本は是非中高生に読んで欲しい本だ(吉野源三郎君たちはどう生きるか』とともに)。

 

家政婦の「私」は、「28」という数字の約数を足すと28となることを発見する。「28」は完全数と呼ばれる数字で、完全数は他に496、8128、8589869056があることを知る。

「私」は「28」の発見以後、「28」がただの数字ではなく、特別なものに見えてくる。

 

まだ途中までしか読んでいないが、この小説は、「知識を増やすことが、世界の認識を広げる」ことを描いていると思う。

中学、高校時代の勉強は、ともすると点数を取るための味気のない勉強になりがちである。勉強のおもしろさとは何か、世界の認識が広がるとはどういうことかを、この小説を読んで、味わって欲しい。