学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

感情の波

生きにくさが減ってきたのは教員として働き始めて2年経ったぐらいからか。

その理由の一つに、本をたくさん読んだことがあるように思う。

本を読むことで、ものを考えるときの軸ができる。

そうなると、他者の考えに振り回されることが少なくなる。

本を読むと、言葉が自分の中に降り積もって行く。

そうなると、今までモヤモヤとしか感じられなかったものを言語化できるようになってくる。

 

感情はよく「波」に喩えられる。

以前は感情の波が上がったり下がったりしていた。

ハイになったとしても少しのことですぐに落ち込むことが多かった。

その落差が辛いので、楽しんでいる自分を認知すると意識的に抑えるような癖を身につけた。

まあ落ち込む原因は自分にあったんだけど。

 

感情を言語化できるようになってきた今、感情の波に飲まれることは少なくなってきたように思う。

波が完全に凪になることはない。

でも、少しは波を乗りこなせるようにはなってきているのかも。

ひとたび生まれた自分の感情を否定するのは苦しい。

否定するのではなく、感情を味わい、名づけ、生じた理由を探る。

良い感情も、良くない感情も。

 

ただ、健全なる精神は健全なる身体に宿るので、それが出来なくなる時も来るのかもしれない。