学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

『偶キャリ。 偶然からキャリアを作った10人』

とても読みやすい本でした。

キャリアは(つまり人生は)綿密に計画できるものなのか?という問題提起から始まっています。

考えてみれば当たり前のことで、いくら自己分析してキャリアを計画したとしても、それが自分の思った通りになることなんて稀です。

その世界に入ってみてからしか分からないことの方が多い。

思い描いていたのとは違うことは往々にしてあるし、途中で興味関心が変わるかもしれません。

綿密に計画すればするほど、変化できなくなってしまうのかも。

 

偶然とは言っていますが、だからといって、受け身で待っていれは良いわけではもちろんありません。

偶然が降ってきた時に、それを認識し、掴み取ることが必要です。

そのためには、アンテナを高くし、行動している必要があります。

10人に共通していたことで印象に残っているのは、行動し続けた結果、人脈が広がり、そのつながりから思わぬ偶然が生まれていたことです。

やはり、人とのつながりが自分の人生を豊かにするのだと思いました。

 

僕自身を振り返ってみれば、偶然によってここまできたように思います。

僕が大学四年生の時に教員採用試験を受けたのは、申し込み締め切りの前日に高校時代に通っていた塾の先生から「受けたら?」と言われたからでした。

その年は不合格でしたが、とりあえず講師登録をしておいたことにより3月に教育委員会から講師の電話がかかってきました。

ちなみに、就活を全くしておらず、卒業後はワーキングホリデーに行こうかとか、図書館司書の資格を取ろうかとか、公務員試験の勉強をしようかとか漠然と考えていました。

色々考えた挙句、東京アカデミーに明日申し込もうと思った矢先に講師の電話がかかってきました。

そこで講師を選んだことで教員の世界に入りました。

なんともふざけた人間です。

 

教員になるまではかなり運で来ましたが、教員になってからは、自分で言うのもなんですが、偶然を掴んできたんじゃないかと思います。

僕は来年から大学院に行きますが、これは自分がアンテナを高くし、行動していなければあり得なかった選択肢だと思います。

まだまだキャリアは途中です。

これからも偶然を掴み取れるように行動していきたいと思います。

 

キャリアを、一度決めてしまったらずっとそれを歩み続けなければならないものと考えるよりも、途中途中で変わりうるものと考えると楽しく過ごせるんじゃないかと思います。

そう思えるためには、やはりつながりをたくさん持つことですね。