学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

自己肯定感

同僚の先生と話していて、「自己肯定感」の話になった。

 

僕は、適切な自己認知(ある種「自己否定」と言ってもいいかもしれない)のない「自己肯定」はないと思う。

自分が何ができていて、何ができていないのか。

それを認知したうえで、「それでも自分はすばらしい」と考えられるのが、「自己肯定感」だと思う。

 

では、どうしたら適切な自己認知ができるか。

それは、ひとつは他者と関わることだと思う。

極端な話、地球上に自分一人しかいなかったら、「自分とはなにか」という問いは生まれてこない。

他者と関わり、自己との共通点・差異を感じとることを通して、「自分」の輪郭が形作られていく。

 

「子どもの『自己肯定感』を上げよう」ということをよく耳にする。

僕が思うのは、そこに前提として適切な自己認知のことが考えられているのかということ。

「とにかく『肯定』しよう」というのは寧ろ逆効果なのではないか、とさえ思う。