学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

見下し、見下される連鎖

僕は、人間関係がうまく作れないことに、かなり悩んだ。

中学生の時、学年・クラスにはカーストがあった。

それはみんな少なからず感じていたのではないかと思う。

クラスメートから、見下され、自分も、どこかで自分より下だと思っている人を見下している。

そんな中学時代を過ごした(そして高校も)。

 

人に見下されるから、自分も誰かを見下す。

裏を返せば、誰かを見下しているから、人に見下される(そして自分が見下していた相手からも見下される)。

どこまでいっても、不安定な人間関係。

こんな状態で、心穏やかに過ごせるはずもなかった。

常に学年内・クラス内で自分がどの位置にいるかをモニターし、下がることのないように最新の注意を払いながら生活をするのだから。

神経はすり減るすり減る。

 

そんな中、誰からも見下されない人がいた。

カーストの枠から外れている人だった。

「ああ、いいなぁ。」と思ったものだ。「どんなに楽だろう」と。

 

あの人は、なぜ、誰からも見下されなかったのか。

それは、あの人が、誰も見下さなかったからだ。

僕が「ねぇねぇ、◯◯ってさ…。」と話しかけても、「僕はそういうことは言わない。」と突っぱねていた。

 

人間関係の最も良い状態とは、カーストの最上位にいる状態ではなく。誰とでも対等に付き合える状態なのではないかと思う。

それこそが、最も安定した人間関係だ。