学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

恥さらし

 「私の授業で〇〇さんが寝ていました。」「私の授業で〇〇さんが全然集中していませんでした。」といったことを、いちいちその生徒の担任に報告してくる教員がいる。「〇〇さんは最近何かあったんですか?」や「〇〇さんはどんな生徒ですか?」のような言葉が続くなら分かるが、ただ報告しかしない。まるで、その生徒が自分の授業を真面目に受けないのは担任の責任であるかのように。僕はこのような会話を聞いた時に、いつも「恥さらしだなあ。」と思う。実際、僕も言われたことは何度かあったが、「ふーん、で?」といった感想しか持たなかった。

 当たり前だが、高校の教員は教科で採用される。だから、自分の授業の責任は100%その教師にある。生徒が自分の授業で寝るのは、生徒の体調がよろしくないか、授業がつまらないかである。前者の可能性を探るならば、その生徒に一声かければ良いし、後者であれば、自分が改善すればいいだけの話である。担任に報告する必要など1ミリもない。

 「私の授業で〇〇さんが寝ていました。」「私の授業で〇〇さんが全然集中していませんでした。」は、言い換えれば「私には授業力がありません。」と言っているようなものである。