学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

読書会『予想どおりに不合理』

 今日は読書会に参加しました。課題図書は『予想どおりに不合理』(ダン・アリエリー著 ハヤカワノンフィクション文庫)。 個人的に面白かった章は、4章「社会規範のコスト」、10章「予測の効果」。

 10章「予測の効果」を話題にしていたときに、楽しめる人と楽しめない人の話になった。何かに取り組む時に、はなから「だるくね?」と思いつつ取り組むのと、「どうせなら楽しもう」と思いつつ取り組むのでは、享受するコンテンツが同じでも、楽しさの度合いが変わる。つまり、自分がどのような予測を持って物事に取り組むのかによって、楽しさが変わるということ。

 「やる気」の話にもなって、「『やる気』という言葉は『やる気がない人』によって作られたものだ」とおっしゃっている方がいて、面白いと思った。やる気が生まれるからやるのではなく、やっていくうちにやる気は出てくる。「やる気」があるとかないとか言っている時点で、やらない理由を探しているのだ。

 読書会は、自分が読めていないことにも気が付かせてくれる。読書行為は基本的に個人で行われるものだが、誰かと読書をすると、より深く楽しい読書体験になる。