『暴走族のエスノグラフィー』を読みました。
エスノグラフィーとは
日本では「民族誌」と訳され、未開民族や特定の地域社会などのの文化や社会経済組織をはじめとする生活の諸様式について、フィールド調査を通して組織的に描き出す方法およびその成果として描かれるものグラフや報告 p.ⅰ
西川先生に研究のことで質問をしたら「とりあえずこれを読んでみたら?」とおっしゃったので、読んでみました。
質的研究をする際に有用な示唆を与えてくれる本なのでしょう。
感想は、、、おもしろい!(小並感)
本書では、暴走族をエスノグラフィーとして描く際に、「遊び」という視点を用いている。
そして、暴走族の「遊び」を心理学・文化人類学・社会学の3つの分野で分析している。
暴走族はなぜ「スピードとスリル」を求めるのか、彼らにとってどのような経験となるのか。
なぜ、車や単車を改造したり、おどろおどろしいグループ名をつけたり、特攻服やはちまきをしたりするのか。
暴走族をめぐるマスコミの報道の背景にあるのは何か。
なぜ、四万人もの若者が暴走族に参加していったのか。
著者は暴走族の中に入って、インタビューしたりアンケートをとったり心理テストをしたり、使える限りの技法を使って暴走族を分析しています(これを「恥知らずの折衷主義」と言うそうです)。
何よりも著者の知識量に驚かされます。
社会学、心理学のほかにも、おそらく言語学、文学、宗教学、映画など、幅広い知識を使って分析しています。
これは大変…。
質的研究が難しいと言われる理由がわかりました…。
話は変わって、本を読んだ後のアウトプットの仕方がいまだに定まりません。
読んだはいいが、読みっぱなしであんまり記憶に残らない。
今はscrapboxを使うことに挑戦しています。
scrapboxに本のメモや要約を章ごとにちょこちょこ書いていく。
これだとやり切れば記憶に残るかもですが、やり切るまでが結構大変だったりする。
なんかいい読書記録の方法ありませんかね。