勤務校では1年生は必ず部活動に入らなければならない。近隣の学校では3年間必ず部活動に所属しなければいけないところもある。控えめに言って意味不明である。なぜ、自主的な活動である部活動を生徒は強制されなければならないのか。根拠に基づいて説明願いたい。
昨年、勤務校で参加自由の部活動検討委員会があり、そこで「部活動強制入部」を廃止してはどうかと提案した。僕の提案に対しての意見に次のようなものがあった。
・他の学校で部活動の所属を任意にしたところ、荒れたことがある。
・部活動をしなければ、遊んでしまう。
・部活動は大切である。
まず、学校が荒れたことについてだが、それは本当に部活動への所属を任意にしたためなのか問いたい。所属を任意にすることによって荒れるのであれば、多くの学校は大変なことになっている。部活動をしなければ荒れるというデータはあるのだろうか?
次に遊んでしまうことについてだが、放課後や土日に遊ぶ遊ばないは生徒の選択である。それを学校が縛るのはどうかと思う。もし仮に放課後、土日に部活動をしていない生徒が遊んでいたとして、それは学校の責任なのだろうか?放課後、土日に何か問題を起こしたら、部活動をしていないことが問われるのだろうか?
最後に部活動の大切さだが、部活動を通して培われるものは確かにあるし、部活動の意義を否定はしない。しかし所属を強制にした瞬間に、部活動の素晴らしさは無くなってしまうように思う。本来やる必要が無く、かつやりたくも無いことに本気で取り組むだろうか。本気で取り組まなければ何事も意味はない。中にはやる気のない生徒の受け皿となっている部活動もある。受け皿が存在している時点で、いかに強制入部が意味のないものか分かる。
部活動の強制入部は、生徒にとっても教員にとっても苦痛である。生徒はやる気のないことに時間と労力を費やすことになるし、教員はやる気のない生徒を指導しなければならない。指導する根拠もない。生徒のためとは言っていても、結局大人の都合のようにしか思えない。