学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

「山椒魚」考

 「山椒魚」という教材を使って、どのような教科内容を学ばせるのか。今回の「山椒魚」では、学習指導要領の現代文Bの指導事項「イ 文章を読んで、書き手の意図や人物、情景、心情の描写などを的確にとらえ、表現を味わうこと。」を扱うことにした。

 学習指導要領には、「人物、情景、心情の描写などを的確にとらえ」るとは「表現された人物の状況、その人物が行動する場面の情景、さらには人物の心情の推移などを間違いなく把握することが大切」とある。「表現された人物の状況、その人物が行動する場面の情景」は、山椒魚、めだか、小エビ、蛙の人物像を把握すること、山椒魚の置かれた状況(岩屋の状況)を読むことか。「人物の心情の推移などを間違いなく把握すること」は山椒魚と蛙のやりとりを考えることか。

「表現を味わう」とは「書かれている内容だけではなく、それらの内容がどのように書かれているのかなどという点にも着目」することとある。「山椒魚」には語り手が顔を出す。そこに着目して、なぜそのように語ったのかを考えることで語り手の山椒魚への批評を読むことか。

 「山椒魚」の単元目標は、「全員が次の寓意について本文に即して説明することができる。『山椒魚は知識ばかりが大きくなってしまった人間の寓意である。』」としてみた。

 「山椒魚」を読むことは、寓意を読むこと。さらに、その寓意を自分の実生活と繋げて考えられるとなお良いか。