学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

質問するということ

 父は僕によく言った。

 「君が誰かの授業を見学させてもらったり、誰かの講演を聞いたりしたならば、必ず質問しなさい。それが授業者・発表者に対する礼儀だよ。」

 

 授業検討会の時に、指摘から入る人がいる。もっと悪いと、いきなりダメ出しをする人がいる。そんな人を目の前にして僕は思う。「なぜ、この人は質問しないのだろうか。」と。

 質問するということは、相手に興味があることの表れであり、つまりはリスペクトの表れである。逆に質問しないということは相手に興味がないということの表れであり、つはりはリスペクトしていないことの表れである。その人にはその人なりの考えがあって授業を組み立て実践したのに、なぜそれを聞かずに自分の言いたいことを言えるのだろう。「自分がまだ学んでいないことをその人は学んでいるのではないか。」という発想があれば、必ず質問から入るはずだ。質問をせずに自分の言いたいことを述べるのは、その人を自分の枠組みに回収しているだけだ。常に学ぶ姿勢があれば、誰に対しても質問するはずだ。

 

 在宅勤務だと1人で考える時間が多くてつい昔のことを思い出してしまう。自戒を込めて。