『ビヨンド・ユートピア 脱北』
長野は相生座・ロキシーにて『ビヨンド・ユートピア 脱北』を観てきました。
北朝鮮から脱北する人々と、それを支援する牧師さんを中心に描かれるドキュメンタリー映画です。
今まで漠然としか知らなかった北朝鮮のリアルを、脱北者のインタビューや記録映像から知ることができました。
とはいえ断片的ではありますが、本当に凄まじい国です。
『HUNTER×HUNTER』に登場する「NGL」という国は北朝鮮をモデルにしているそうですが、まさにあの感じ。
北朝鮮の徹底した洗脳は恐怖を覚えます。
劇中で5人の家族(幼児2人、父母、お婆さん1人)が脱北するのですが、脱北した後でもお婆さんは総書記を素晴らしい人だ、我々を守ってくださる、と言い、幼児2人にインタビュアーが「総書記はどんな人?」と尋ねると、素晴らしい人と答えます。
教育って本当に大切で怖いものだと感じました。
北朝鮮の生活環境はとても厳しく、水は自分たちで汲んでこなければならない(脱北後であっても、麺を茹でた後のお湯を茶として飲むために取っておく習慣がついてしまう程に水が貴重)、トイレは汲み取り式で糞尿は肥料に使う、提出する糞尿が少ないと罰せられるため他の家から盗む等、壮絶です。
脱北するために何度も国境を越えるのですが、最後の国境を越えるために夏のジャングルを7時間歩きます。
驚いたのは80になるお婆さんが歩き切ることです。
命懸けで脱北しているとはいえ、すごい体力だと思いました。
普段の生活が非常に厳しいからなのでしょうか。
映画を観た後、映画について書かれた記事を読んでいると、おばさまに「どうやってあなた達はこの映画を知ったの?」と話しかけられました。
こういった映画に興味を持つ層として珍しかったのでしょうか。
長野相生座・ロキシーは昔ながらの風情のある映画館でした。
ローカルならではの良さが詰まっている場所です。
地元にもこんな映画館が欲しい〜。