学而不思則罔、思而不学則殆。

高校国語科教員が何か書きます。

東西の覚え方

恥ずかしい話だが、私は最近まで東と西のどちらが北に対して右なのか左なのか曖昧だった。

しかし、ある時ふと「東の東京は右にあって、西の大阪は左にあるなぁ」と思い至り、完璧に東西の位置関係を理解した。

分かってしまえば、なぜ、この考え方に今まで至らなかったのかが分からない。

実に単純で簡単なことなのだが、小学生の頃東西南北をテストで問われた際に答えられなかった私にとっては画期的なとこであった。

非常勤講師②

 非常勤講師授業2回目。今回から本格的に授業に入る。教材は三浦哲郎「とんかつ」。表現(いかに書かれているか)を読むことで小説の読み方を深めることをゴールとする(したい)。

 今日の内容は①範読として考え聞かせを行う②4人グループで音読してもらう③ふりかえりをかいてもらう、といった感じ。振り返りにはOPPシートを使う(最初に「単元の最初の問い」を書いてもらうのを忘れてしまった。あいたた)。以前見学させていただいた今井先生の授業を大いにお手本にさせていただいた。

 大体の方向性は決まっているのだが、細かい問いや課題がまだ定まりきっていない。相談させてもらお。

テニス

 中学はソフトテニス部、高校は硬式テニス部で日々汗を流していたが、試合になると勝ったためしがない。原因はメンタル。昔は「メンタルはどうしたら強くなるのか。メンタルさえ強ければ」とぼんやりと思っていた。

 本日、久々にテニスをする。不思議に、現役の時よりも良いプレーができている(相手は関係なく、過去の自分と比較して)。練習量で言えば当然現役の時より少ないのに。

 理由はおそらく、自分の中にことばが増えていえるからだろう。メンタルを強くする(安定させる)には、言葉を増やすこと。

非常勤講師①久々の教室

 今年度から非常勤講師として働かせていただくことになり(厳密には現在県による手続きが進行中)、本日は授業一発目だった。久々に高校の教室に入ると80の瞳がこちらを見ていて「ウッ」となる。

 授業開きということで、アンケートに答えてもらい、私の願いを語り、アンケートの項目につけていた質問に答える。

 私の話をうなづきながら聞いてくれる子、じっと見つめる子、下を向いている子、それぞれいたが、結局は日々の積み重ねで私という人間を見られる。言行一致が問われる。

 それにしても緊張した。

直江津『学び合い』の会

 本日は、直江津『学び合い』の会に参加しました。

 話題提供は、幼稚園での『学び合い』の話。初めての取り組みということで、悩ましかったところも含めて、実践を報告してくださいました。

 目の前の現象に対するもどかしさ、周りの職員や保護者との関わり等、難しいところもあったそうですが、それでもやはり子どもの素晴らしさを語っていました。幼稚園生だって人と関わる力、関係を調整を持っている。自分たちで選択して決定できる存在であることに気づかせてくれました。

 話題提供してくださった方はもちろん、参加者、子どもたちから元気をもらうことができました。

瀬戸ツクルスクール訪問

昨日、ゼミ生と2人で愛知県は瀬戸市にある瀬戸ツクルスクールに訪問しました。入学式ということで子どもも保護者もたくさんいました。

1.無料の凄さ

 瀬戸ツクルスクールは無料で運営されています。単純に「無料って凄い」と思っていましたが、保護者の方や一尾さんとお話しして、お金がかからないこと以上の凄さがあることを知りました。

無料であることで「待つ」ことができる

 保護者の方とお話しした際に気付かされたことです。その方は「お金がかからなことで、子どもの学校に行かないという選択を待つことができるようになった。お金を払っていると、勿体ないという気持ちが出てきて学校に行ってほしくなってしまう。子どもにとっても、行かないことによる罪悪感がない」とおっしゃっていました。

 お金はそれだけ保護者にも子どもにも負い目になってしまう。無料だからこそ「行かない」という選択肢を保障してあげられるのだと思いました。

無料であることで選択肢となる

 一尾さんは「お金持ちはそもそも選択肢をたくさん持っている。公立学校と対等な選択肢となろうと思ったら、高い授業料を取ってしまっては選択肢になれない。お金持ちのための学校となってしまう。そもそもが矛盾してしまう」とおっしゃっていました。

 選択肢となるということは、選択する側に責任が生ずるということ。自分で選択したからこそ自分ごととなる。保護者・子どもをお客様にしないということも、無料であり、選択肢となるからこそできることなのだと思いました。

2.子どもたちの様子

 瀬戸ツクルスクールでは、子どもたちはめいめいに好きなことをして過ごしています。カードゲームで遊んだり、漫画を読んだり、体を動かしたり。それぞれがその場所にいて、それぞれの過ごし方をしている。でも、特に問題は起きない。不思議な空間でした。

昼食作り

 11時ごろになると、昼食の予約が始まりました。料金は一律300円。私はデリ丼(デリシャス丼)を注文しました。

 準備は3人の子どもが行なっていました。米を研いで炊飯釜に入れ、火をつける。電子炊飯器ではなくガス火での炊飯器です。慣れているのもあってかテキパキと行なっていました。

 これだけのお金があればこれだけの食材が買えてご飯が食べられるという感覚は、個人事業主として働く上でも大切な感覚なのかと思いました。最低限これだけのお金があれば生きていけるという感覚があれば、変に不安になることもない。

1年生と先輩とのやりとり

 昼食後、調理室で過ごしていると昼食の準備をしていた子の1人がパンにバターを塗って魚焼きグリルで焼いていました。

 それを見た1年生の子が、パンを貰ってきてバターを塗り始めました。なんとその子はさらにもう一枚パンを貰って、バターを塗った面を挟んで焼こうとしていました。私は思わず「2枚も食べられるの?」と聞いてしまいましたが、その場にいたゼミ生が「先回りしないの」と諭してくれました。その他にも色々気になることはありましたがグッと堪えて見ていました。そうこうしているうちに先輩の子が1年生と関わり始め、あーだこうだやりとりをしていました。1年生の子はいろいろと自分でやりたいらしく、先輩の子は助言したり手伝ってあげたり。

 大人が先回りしていたら見られない光景を見ることができました。集団の中で育っていくことが予想できるやりとりでした。

3.一尾さんとの対話

 一尾さんとお話しさせていただく中で、印象に残ったことを書きます。

手出ししないことに対するブレなさ

 基本的に一尾さんは子どもたちに手出ししません。その理由として、アクティブブレインの理論、結局のところその子の人生はその子しか責任を持てないこと、ツクルスクールには子どもたちが選択して来ていること等が挙げられます。やはり理論があり、一貫した考え方があるからこそ子どもたちを信頼し、ブレないでいられるのだと思いました。

子どもたちは何を学ぶのか

 一尾さんに「子どもたちはツクルスクールに来ている時間を通して、何を学ぶんでしょうか」と質問しました。一尾さんは「前に中学生の子に聞いた時は『人との距離感』とか『幸せ』と言っていた」と答えてくださいました。「幸せ」という言葉が出て来たのには驚きです。まさに我々教員が目指しているものです。なぜその子は「幸せ」と答えたのかまではわかりませんが、日々の生活の中で確かにそれを感じたのでしょう。

 一尾さんは「公立学校にせよツクルスクールにせよ、ヒドゥンの部分が強い」とおっしゃっていました。日々の大人との関わりの中で、自分の置かれている枠組みの中で表面的に起きている現象以上のことを子どもたちは学ぶのでしょう。だからこそ、環境設定が大切なのだと思いました。

4.プラクティカルカレッジ体験

 15時30分からは、プラクティカルカレッジという高校生対象の教育です。個人事業主になることを目指して学びます。この日は高校3年生と一緒に事業計画書を書く体験をしました。お題は「サウナ」。

 今まで事業計画書なんて書いたことはありません。実際にやってみて、かなり難しかったです。でも今の時代はインターネットがあり、豊富に本があり、AIがあり、やろうとおもえばやることができます。とりあえずやってみる、ということを体感できました。

 3年生はこの1年間で事業計画書を書きまくるそうです。凄い…。

5.まとめ

 今回初めて瀬戸ツクルスクールにお邪魔させていただき、その場の雰囲気を感じることができました。まだまだ気になること、直接子どもたちに聞いてみたいことがあります。特に、子どもたちの年齢が上がっていくにつれて、生まれてくるであろう不安や葛藤をどう乗り越えていくのかを聞いてみたいと思いました。

 あたたかく迎えてくださり、話をしてくださった一尾さん、保護者の方々、子どもたちに感謝です。ありがとうございました。

モヤモヤがとれ

 胸の中にモヤモヤしていたものがようやく取れて、少し心が楽になった。気になることがあると、つねに頭の片隅にそれがいて集中を妨げる。初めてのことを根気強く交渉し続けるのは疲れものだ。

 

 最近、些細なきっかけで「ゆる言語学ラジオ」をまた見始め「た」。これがまた面白い。夜も眠れなくなるほどに。

 普段私たちが何気なく使っている日本語を改めて見直してみると、こんなにもわからないことだらけだったのかと感じさせてくれる。文法という体系化されたものを学び直すことで、言葉をさらに自覚的、随意的に使えるようになっていくのだろう。これも一つの言語感覚か。